大切な写真や動画、仕事のデータを一括管理できるSynology(シノロジー)のNASは、初心者でも扱いやすいと評判のデバイスです。しかし、いざ手元に届くと「まず何をすればいいの?」「設定で失敗したらどうしよう」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。NASはネットワーク機器であるため、正しい手順で進めることがスムーズな導入の鍵となります。
この記事では、Synology NAS初心者がスムーズに初期設定の流れを把握し、自分専用のストレージを完成させるための全工程をやさしく解説します。ハードウェアの準備から、OSのインストール、そして便利なアプリの使い方まで、順番に読み進めるだけで迷わず設定を完了できます。まずは全体の流れを理解して、快適なデータ保存の第一歩を踏み出しましょう。
Synology NAS初心者が把握すべき初期設定の流れと事前準備

Synology NASを手に入れたら、すぐにでも使い始めたいところですが、まずは全体の流れを把握することが大切です。初期設定は大きく分けて「物理的な準備」「OSのセットアップ」「データの保存場所作成」という3つのステップで進みます。この流れを知っておくだけで、作業中に迷うことが格段に少なくなります。
まずは、箱を開けて中身を確認し、設定に必要な環境が整っているかを確認しましょう。パソコンとインターネット環境、そしてNASに組み込むHDD(ハードディスク)またはSSDが必要です。これらが揃っていれば、最初のステップである「ハードウェアの組み立て」に進むことができます。
同梱物の確認と必要な周辺機器のチェック
箱を開けたら、まずは本体のほかに電源アダプター、LANケーブル、HDD固定用のネジ(モデルによる)が入っているか確認しましょう。Synology NASの多くのモデルにはHDDが付属していないため、別途購入しておく必要があります。NAS専用のHDD(WD RedやSeagate IronWolfなど)を選ぶと、24時間稼働を前提としているため故障のリスクを減らせます。
また、初期設定を行うためには、同じネットワークに接続されたパソコンが必要です。スマートフォンだけでも一部の設定は可能ですが、詳細な設定や管理を考慮すると、最初はパソコンから操作することをおすすめします。LANケーブルはカテゴリ5e以上のものを使用することで、データの転送速度を安定させることができます。
周辺機器として意外と忘れがちなのが、UPS(無停電電源装置)です。必須ではありませんが、急な停電によるデータ破損を防ぐために、将来的に導入を検討しておくと安心です。まずは最小限の構成で設定を始め、必要に応じて拡張していくのが初心者のための王道スタイルと言えます。
セットアップを行う場所とネットワーク環境
NASを設置する場所は、なるべく風通しが良く、直射日光の当たらない場所を選びましょう。HDDは動作中に熱を持つため、密閉された空間だと温度が上がりすぎて寿命を縮める原因になります。また、動作音が気になる場合は、寝室ではなくリビングや書斎の隅などが適しています。
ネットワーク環境については、Wi-FiルーターのLANポートに直接NASを接続するのが基本です。中継機やスイッチングハブを経由しても動作しますが、ルーターに直接つなぐことで接続トラブルを最小限に抑えられます。初期設定時は、パソコンも同じルーターに有線かWi-Fiで接続されている状態にしてください。
もし可能であれば、固定IPアドレスの設定についても少しだけ頭の片隅に置いておきましょう。通常は自動で割り振られますが、後からNASの場所を特定しやすくするために役立ちます。ただし、初心者のうちは難しいことは考えず、まずは「同じルーターにつなぐ」ことだけを意識すれば問題ありません。
WebブラウザでNASを見つけるためのWeb Assistant
ハードウェアの準備ができたら、いよいよソフトウェアの設定です。Synologyには、ブラウザから簡単にネットワーク内のNASを探し出してくれる「Web Assistant」という便利な機能があります。パソコンのブラウザを立ち上げ、指定のURLを入力するだけで、接続されているNASを自動的に検知してくれます。
このツールを使うことで、難しいネットワーク設定の知識がなくても、マウス操作だけでセットアップ画面に進むことができます。もしNASが見つからない場合は、パソコンとNASが同じルーターに繋がっているかを再度確認してください。アンチウイルスソフトやファイアウォールが邪魔をしているケースもありますが、基本的にはスムーズに見つかるはずです。
ハードウェアの取り付けと本体の物理的な接続方法

ソフトウェアの設定に進む前に、HDDを本体に取り付け、電源とネットワークを物理的に繋ぐ作業が必要です。Synology NASの魅力の一つは、この物理的な組み立てが非常に簡単であることです。多くのモデルがツールレス(工具不要)設計を採用しており、初心者でもパズルを組み立てるような感覚で作業できます。
HDDの向きを間違えないように差し込み、しっかりと固定することが、後の動作安定につながります。また、ケーブル類も「カチッ」と音がするまで確実に差し込みましょう。接触不良は初期設定が失敗する原因の中でも特に多いものの一つです。焦らずに丁寧に進めていきましょう。
HDD(ハードディスク)の正しい取り付け手順
まず、NAS本体のフロントパネルを外すか、ドライブトレイを引き出します。トレイの側面にある固定パネルを取り外し、HDDをトレイにセットします。この際、HDDの接続端子が奥側を向くように配置してください。固定パネルを戻せば、ネジを使わずにHDDをトレイに固定することができます。
トレイを本体の奥までしっかり差し込み、レバーやロックがかかったことを確認します。2ベイ以上のモデルを使用する場合は、HDDを2台入れることでデータの安全性を高めることができます。1台だけでも動作は可能ですが、バックアップの観点からは2台以上での運用が推奨されます。
一部の小型モデルや旧モデルでは、ネジ止めが必要な場合もあります。その際は、付属のネジを使って4箇所を均等に締めましょう。締めすぎると振動の原因になることがありますが、緩すぎると接続不良を起こします。適度な力加減で固定するのがコツです。
LANケーブルと電源アダプターの接続
HDDのセットが完了したら、次はケーブル類の接続です。まず、付属のLANケーブルをNAS背面のLANポートに差し込みます。もう一方は、ご家庭のルーターにある空いているLANポートに繋いでください。次に、電源アダプターをNASに差し込み、コンセントに繋ぎます。
準備ができたら、本体前面にある電源ボタンを押しましょう。ピッと音が鳴り、ステータスランプが点滅し始めます。起動が完了するまで1〜2分ほどかかるので、ランプの点滅が安定するまで待ちましょう。この起動待ちの間に、パソコンを操作できる状態にしておくとスムーズです。
起動直後はステータスランプがオレンジ色に点滅することがありますが、これは「OSが入っていない」ことを示しているだけなので心配いりません。故障ではなく、これから設定を始める準備が整ったというサインです。この状態を確認できたら、次のソフトウェア設定ステップへと移ります。
LEDランプの状態とビープ音の意味
Synology NASには、本体の状態を知らせるためのランプ(LED)とブザー(ビープ音)が備わっています。電源ボタンの横にある「STATUS」ランプが緑色で点灯していれば正常、オレンジ色に点滅していれば設定待ちやエラーの状態です。「DISK」ランプはHDDが正しく認識されていれば緑色に点灯します。
また、起動時に「ピッ」という短い音が1回鳴るのが正常な動作です。もし設定中に何度もビープ音が鳴り続ける場合は、HDDの異常やファンの故障などが考えられます。初心者のうちはランプの色を見るだけで十分ですが、「オレンジ点滅は要設定」と覚えておくと安心です。
ステータスランプがオレンジ色に点滅していても、初期設定前であれば正常な挙動です。OSをインストールすれば緑色に変わりますので、そのまま設定を続けてください。
OS(DiskStation Manager)のインストールと基本設定

物理的な準備ができたら、次はSynology NAS専用のOSである「DiskStation Manager(DSM)」をインストールします。NASは単なる外付けHDDとは異なり、中身は小さなコンピューターです。そのため、パソコンにWindowsやMac OSがあるように、NASにも専用のソフトウェアが必要になります。
DSMのインストールは、ブラウザ上の指示に従うだけで自動的に進みます。最新版のDSMをインターネットからダウンロードして適用するため、常に最新の機能とセキュリティが保たれた状態で使い始めることができます。このセクションでは、OSのインストールから管理者の作成までの流れを見ていきましょう。
DSMのインストール実行と所要時間
Web AssistantでNASを見つけたら、「設定」ボタンをクリックしてインストールを開始します。「今すぐインストール」を選択すると、NAS内のHDDが初期化され、OSの書き込みが始まります。HDDの中にあるデータはすべて消去されるため、中古のHDDを使う場合は注意してください。
インストールには通常10分から15分ほどかかります。画面には進捗状況がパーセントで表示され、終了するとNASが自動的に再起動します。再起動中もブラウザを閉じずに待機しましょう。再起動が完了すると、いよいよ管理者アカウントを作成する画面が表示されます。
この間、NASの電源を切ったりLANケーブルを抜いたりしないように注意してください。OSのインストールが中断されると、最初からやり直しになるだけでなく、システムエラーの原因になることもあります。コーヒーでも飲みながら、ゆっくりと待つのが良いでしょう。
管理者アカウントの作成とセキュリティ設定
再起動後、最初に「管理者アカウント」の作成を求められます。これはNASのすべての機能を操作できる重要なアカウントです。ユーザー名は「admin」などの推測されやすい名前を避け、自分専用の名前を設定しましょう。パスワードも英数字を組み合わせた複雑なものを設定することを強くおすすめします。
次に、デバイス名(サーバー名)を決めます。これはネットワーク上でNASを識別するための名前です。「MyNAS」や「Family-Storage」など、自分が分かりやすい名前で構いません。ここで設定した情報は後から変更も可能ですが、ログイン情報は忘れないようにメモしておきましょう。
セキュリティのために、二段階認証の設定も推奨されます。初心者のうちは後回しにしがちですが、大切なデータを守るためには非常に有効な手段です。設定画面の指示に従ってスマホアプリ(Synology Secure SignInなど)と連携させるだけで、不正アクセスを強力に防ぐことができます。
自動更新とシステム通知の設定
DSMの設定が終わると、システムの更新設定画面が表示されます。「重要なアップデートを自動的にインストールする」にチェックを入れておくのが、初心者にとって最も安全な選択です。これにより、セキュリティの脆弱性が見つかった際も、システムが自動で対策を行ってくれます。
また、NASにトラブルが起きた際にメールで通知を受け取る設定も可能です。HDDの調子が悪くなったときや、停電で強制終了したときなど、異変をいち早く察知できます。通知設定は後からコントロールパネルで行えますが、初期設定の段階でメールアドレスを登録しておくと安心です。
ストレージプールとボリュームの作成手順

OSのインストールが終わっただけでは、まだデータを保存することはできません。HDDの中に「ストレージプール」と「ボリューム」という、データを保存するための領域を作る必要があります。これは、広大な土地(HDD)に区画(ストレージプール)を整理し、その上に家(ボリューム)を建てるようなイメージです。
ここで重要になるのが「RAID(レイド)」の設定です。RAIDとは、複数のHDDを1つのドライブとして扱い、データの読み書きを速くしたり、1台が故障してもデータを守ったりする仕組みのことです。Synologyには初心者向けの「SHR」という便利な設定があり、これを選べば失敗することはありません。
RAIDタイプの選択(SHRとRAID 1の違い)
設定ウィザードを進めると、RAIDタイプの選択を求められます。Synology独自の「SHR(Synology Hybrid RAID)」を選ぶのが最もおすすめです。SHRは、異なる容量のHDDを組み合わせても無駄なく容量を使える柔軟なシステムで、初心者でも将来の拡張が簡単になります。
2台のHDDを使っている場合、基本的には「1台が故障してもデータが消えない」ミラーリングという状態になります。これはRAID 1と同等の安全性を持っています。もし1台のHDDだけで運用する場合は、RAIDを組まない「Basic」という設定になりますが、データの保護機能は働きません。
データの安全性を最優先するなら、必ず2台以上のHDDを使い、SHRまたはRAID 1を選択しましょう。これにより、万が一HDDが物理的に壊れてしまっても、新しいHDDに交換するだけでデータを復旧させることが可能になります。これこそがNASを使う最大のメリットの一つです。
ファイルシステム「Btrfs」のメリット
ボリュームを作成する際、ファイルシステムの選択肢として「Btrfs」と「ext4」の2つが表示されます。特に理由がなければ、最新の「Btrfs(ビーティーアールエフエス)」を選択しましょう。Btrfsはデータの保護機能に優れており、ファイルが壊れていないかを自動でチェック・修復する機能を持っています。
また、Btrfsを選ぶと「スナップショット」という機能が使えます。これは特定の時点のデータ状態を瞬時に保存しておく機能で、誤ってファイルを削除してしまったり、ランサムウェアというウイルスにデータを書き換えられたりした際に、過去の状態にすぐに戻すことができます。
ext4は古いシステムとの互換性が高いという特徴がありますが、Synology NASを単体で使う上ではBtrfsの恩恵の方がはるかに大きいです。最新モデルの多くはこのBtrfsを推奨しており、初心者こそこの高度なデータ保護機能の恩恵を受けるべきだと言えます。
ボリュームの作成と容量の割り当て
RAIDタイプとファイルシステムが決まったら、最後にボリュームの容量を決めます。通常は「最大」を選択して、利用可能なすべての容量を1つのボリュームに割り当てればOKです。これにより、管理がシンプルになり、空き容量を効率よく使うことができます。
設定が完了すると、システムの最適化(ドライブチェック)が始まります。この作業は数時間から1日ほどかかることがありますが、バックグラウンドで行われるため、その間もファイルのコピーなどの基本操作は可能です。ただし、動作が少し重くなることがあるため、本格的な利用はチェックが終わってからにしましょう。
| RAIDタイプ | 特徴 | 初心者おすすめ度 |
|---|---|---|
| SHR | Synology独自。容量の拡張が簡単で柔軟。 | ★★★★★ |
| RAID 1 | 2台に同じデータを書き込む。シンプル。 | ★★★★☆ |
| Basic | 保護なし。1台のHDD容量をそのまま使う。 | ★★☆☆☆ |
外部アクセス(QuickConnect)とユーザー設定

家の中でも外でもNASのデータにアクセスできるようにするのが、Synologyの「QuickConnect(クイックコネクト)」という機能です。本来、外出先から自宅のネットワークに繋ぐには、ルーターの難しい設定が必要ですが、QuickConnectを使えばIDを1つ決めるだけで、どこからでも繋がるようになります。
また、家族でNASを共有する場合は、自分以外の「ユーザーアカウント」を作成することも大切です。それぞれに専用のフォルダを割り当てることで、プライバシーを守りながら一つのNASを有効活用できます。このセクションでは、利便性とセキュリティを両立させる設定を紹介します。
QuickConnectの設定とスマホ連携
コントロールパネルから「外部アクセス」を開き、QuickConnectを有効にします。ここで好きな英数字(QuickConnect ID)を設定してください。例えば「my-home-nas」といった自分専用のIDです。この設定が終われば、スマホアプリのログイン画面でこのIDを入れるだけで接続できるようになります。
スマホには「DS file」や「Synology Photos」といった専用アプリを入れておきましょう。外出先で撮った写真をその場で自宅のNASにアップロードしたり、家にあるドキュメントを出先で確認したりできるようになります。難しいネットワーク知識が不要でこれが実現できるのは、Synologyの大きな強みです。
QuickConnectは便利なだけでなく、セキュリティも考慮されています。通信は暗号化されるため、公衆Wi-Fiなどからアクセスしても内容を盗み見られる心配が少なくなります。初期設定の流れの中で、必ず済ませておきたい設定の筆頭です。
共有フォルダの作成と権限の管理
データを整理するために「共有フォルダ」を作成しましょう。「写真用」「仕事用」「家族用」など、用途に合わせてフォルダを作ります。コントロールパネルの「共有フォルダ」から簡単に作成でき、その際にフォルダ全体を暗号化してセキュリティをさらに高めることも可能です。
共有フォルダごとに「誰がアクセスできるか」を決めることができます。自分はすべてのフォルダを読み書きでき、子供は「写真用」だけを見ることができる、といった設定が可能です。これにより、大切な仕事のデータを間違って家族に消されるといった事故を防ぐことができます。
フォルダ作成時には「ゴミ箱」機能を有効にしておくことをおすすめします。パソコン上でファイルを削除しても、一旦NAS内のゴミ箱に入るため、間違って消したファイルを簡単に救出できます。管理の手間を減らすための、ちょっとした工夫です。
家族やチーム用のユーザーアカウント追加
自分以外のユーザーを追加する場合は、コントロールパネルの「ユーザーとグループ」から新規作成します。ユーザーごとに容量制限(クォータ)をかけることも可能です。例えば「お兄ちゃんは100GBまで、妹は50GBまで」といった具合に設定すれば、一人が勝手にHDDを使い切るのを防げます。
ユーザーを追加する際は、権限の設定に注意しましょう。システム設定を変更できる「管理者権限(administrators)」は自分一人だけに留め、他の家族は「一般ユーザー」として登録するのがセキュリティの基本です。不要なトラブルを避けるためにも、権限は最小限から始めるのが鉄則です。
【おすすめの初期ユーザー構成】
・自分(管理者):全ての操作が可能
・家族A(一般ユーザー):特定のフォルダのみ読み書き可能
・ゲスト:閲覧専用(必要に応じて)
Synology NASを使いこなすための便利機能

初期設定の流れが一通り終わったら、NASをただの「データの置き場」以上の存在にするための便利な機能(パッケージ)を導入してみましょう。Synologyには、スマートフォンのアプリのように追加できる「パッケージセンター」という機能があります。ここから好きなソフトをインストールすることで、NASの可能性が広がります。
写真管理、ファイルの同期、テレビ録画の保存など、用途は多岐にわたりますが、初心者がまず入れておくべきアプリは限られています。あまり多くを入れすぎるとメモリを消費してしまうため、自分に必要なものから少しずつ試していくのがコツです。
写真管理に最適な「Synology Photos」
Synology NASを買ったら真っ先に使ってほしいのが「Synology Photos」です。これはGoogleフォトのような感覚で、スマホやパソコンにある写真をNASに自動バックアップし、AIが人物や場所ごとに自動で整理してくれるアプリです。スマホの容量不足に悩んでいる人には最高の解決策になります。
使い方は簡単で、NASにパッケージをインストールし、スマホに同名のアプリを入れるだけです。Wi-Fi接続時に自動でバックアップする設定にしておけば、何もしなくても思い出がNASに守られます。しかも、Googleフォトのような月額料金はかからず、NASの容量がある限り保存し放題です。
家族で共有フォルダを作れば、旅行の写真を一つの場所に集めるのも簡単です。プライベートな写真は自分だけのフォルダに、共有したい写真は共有スペースに、といった使い分けも直感的に行えます。初心者がNASの便利さを最も実感できる機能と言えるでしょう。
PCとNASを同期する「Synology Drive」
仕事や作業の効率を上げたいなら「Synology Drive」が便利です。これはDropboxやOneDriveのようなクラウドストレージを、自分のNASで作れる機能です。パソコン上の特定のフォルダとNASを常に同期させることができるため、どのパソコンからでも最新のファイルにアクセスできます。
「オンデマンド同期」という機能を使えば、ファイルの本体はNASに置き、使うときだけパソコンにダウンロードすることができます。これにより、パソコンのストレージを節約しながら、膨大なデータを取り扱うことが可能になります。パソコンの買い替え時のデータ移行も、この同期機能があれば非常にスムーズです。
また、ファイルの「バージョン管理」機能も見逃せません。間違えて上書き保存してしまったエクセルファイルを、昨日の状態に戻すといったことが数クリックで可能です。バックアップとしての役割も兼ね備えているため、ビジネス用途だけでなく日常の作業でも非常に頼もしい存在になります。
大切なデータをさらに守る「Hyper Backup」
NASにデータを集約すると、今度は「NASが壊れたらどうしよう」という不安が出てきます。その対策として必須なのが「Hyper Backup」です。これはNASの中にある大切なデータを、さらに外付けHDDやクラウドストレージへ自動的にバックアップするアプリです。
いくらRAIDでHDD故障に備えていても、火災や落雷、NAS本体の故障ですべてを失うリスクはゼロではありません。Hyper Backupを使って週に一度、あるいは毎日決まった時間に外部へバックアップを取る設定にしておけば、二重三重の安心を手に入れることができます。
設定はウィザード形式で進むため、初心者でも難しくありません。「設定の仕方がわからない」という理由で後回しにせず、初期設定の仕上げとして、外付けHDDを繋いでバックアップ設定まで済ませてしまいましょう。これで、あなたのデータ管理環境は完璧なものになります。
パッケージセンターには他にもたくさんのアプリがありますが、まずは「Photos」「Drive」「Hyper Backup」の3つから始めるのが、混乱せずに使いこなすための近道です。
Synology NAS初心者向けの初期設定まとめ
Synology NASの初期設定は、一見すると難しそうに思えますが、順を追って進めれば初心者でも決して難しくありません。まずはハードウェアの組み立てを丁寧に行い、Web Assistantを使ってOS(DSM)をインストールすることから始まります。この最初のハードルを越えれば、あとは直感的な画面操作で設定を進められます。
重要なのは、データを守るための「RAID(SHR)」設定と、どこからでもアクセス可能にする「QuickConnect」の設定を確実に済ませることです。この2つさえしっかりしていれば、NASとしての基本性能を十分に発揮できます。さらにBtrfsファイルシステムの採用により、データの整合性も高く保たれます。
設定が終わったら、Synology PhotosやSynology Driveを活用して、自分だけのプライベートクラウドを楽しんでください。最初は写真のバックアップから始め、徐々に自分に合った使い方を見つけていくのがNASライフを楽しむコツです。万が一の事態に備えて、Hyper Backupによる二重のバックアップも忘れずに行いましょう。
これですべての準備が整いました。大切なデータを安全かつ便利に活用できる、快適なストレージ環境を存分に活用してください。


