PS5のストレージ容量を増やすためにSSDを増設しようとした際、多くのユーザーが直面するのが「ネジが固くて回らない」「ネジ山がなめてしまった」というトラブルです。せっかく新しいSSDを購入したのに、ネジ一本のせいで作業が止まってしまうのは非常にストレスが溜まるものです。
PS5の内部に使用されているネジは非常に小さく、適切な工具を使用しないと簡単になめて(潰れて)しまいます。この記事では、PS5のSSD固定ネジが外れない原因から、なめてしまった時の具体的な対処法、そして二度と失敗しないための正しい工具選びまでを詳しく解説します。
この記事を読めば、今手元にあるネジの状態に合わせた最適な解決策が見つかるはずです。無理に回して状況を悪化させる前に、まずは正しい手順を確認して、安全にSSDの増設を完了させましょう。
PS5のSSDネジが外れない・なめた時の主な原因と現状確認

PS5のSSDカバーを固定しているネジや、内部のスペーサーを固定しているネジは、驚くほど固く締められていることがあります。まずは、なぜネジがこれほどまでに外れにくいのか、そしてどのような状態を「なめた」と呼ぶのかを理解しましょう。現状を正しく把握することが、解決への第一歩となります。
工場出荷時の締め付けが非常に強い
PS5の内部パーツを固定しているネジは、配送時の振動などで緩まないように、工場出荷時に非常に強いトルクで締め付けられています。特にSSDスロット付近のネジは、精密機器としての安定性を保つために、一度も回されていない状態では驚くほど頑丈に固定されています。
さらに、ネジの緩みを防止するための「ネジロック剤(接着剤のようなもの)」が塗布されているケースもあり、これが抵抗となって軽い力ではピクリとも動かない原因になります。最初の一回しに最も大きな力が必要となるため、ここで失敗してネジ山を傷めてしまう人が後を絶ちません。
このような「初期の固さ」があることを知らずに、片手で軽く回そうとすると、ドライバーが浮き上がってしまいネジ山を削ってしまいます。まずは、このネジが想像以上に手強い相手であることを認識しておく必要があります。
ドライバーのサイズが合っていない
ネジがなめる最大の原因は、使用しているドライバーのサイズが適合していないことです。PS5のSSD固定用ネジには「プラスドライバーの1番(PH1)」が適合しますが、家庭にある汎用的な2番(PH2)や、さらに小さい0番(PH0)を無理に使おうとするケースが多く見られます。
サイズが合っていないドライバーを使うと、ネジの溝とドライバーの先端が隙間だらけの状態になります。その状態で力を入れると、金属同士の接触面積が小さいため、特定の場所に過剰な負荷がかかり、ネジの溝を削り取ってしまいます。これが、いわゆる「なめた」状態の始まりです。
特に「100円ショップの精密ドライバーセット」などは、先端の精度が低く、サイズが合っているように見えても微妙に噛み合わせが悪いことがあります。PS5のような高価なハードウェアを扱う際は、工具の質にも気を配る必要があります。
「押し付ける力」が足りていない
ネジを回す際、多くの人は「回す力(回転)」に意識が向きがちですが、実は「押し付ける力(垂直荷重)」の方が重要です。ネジを回す理論として「押す力が7割、回す力が3割」と言われるほど、垂直に押し込む力が必要不可欠です。
押し付ける力が足りないと、ドライバーの先端がネジの溝から滑り出そうとする「カムアウト現象」が発生します。このカムアウトこそが、ネジ山をズタズタにしてしまう元凶です。PS5のネジは小さいため、少しでもドライバーが浮くとすぐに山が潰れてしまいます。
作業を行う際は、PS5を安定した平らな場所に置き、ドライバーがネジに対して完全に垂直になっていることを確認しなければなりません。斜めに力を入れると、あっという間になめてしまうため、姿勢と力の入れ方には細心の注意を払いましょう。
ネジがなめてしまった時にまず試すべき3つの応急処置

もしネジ山が少し潰れてしまい、通常のドライバーでは滑ってしまう状態になったとしても、まだ諦める必要はありません。特殊な工具を買いに走る前に、自宅にあるものや安価なアイテムで解決できる可能性があります。ここでは、比較的軽度な「なめ」に効果的な応急処置を紹介します。
幅広の輪ゴムを挟んで回す方法
ネジ山が少し削れてしまった場合、ドライバーとネジの間の「隙間」を埋めることで摩擦力を高める方法が有効です。その際に便利なのが、事務用の「幅広の輪ゴム」です。ネジの頭に輪ゴムを広げて置き、その上からドライバーを強く押し当ててゆっくりと回します。
輪ゴムの弾力性が、削れてしまった溝の隙間に入り込み、ドライバーの回転力をネジに伝えてくれます。この時も、やはり「押す力」を最大限に意識することがポイントです。一度で回らなくても、輪ゴムの当てる位置を変えながら数回試すと、ググッと手応えを感じることがあります。
ただし、この方法はネジの山がまだ少し残っている場合に有効な手段です。完全に円形に削れてしまった場合には効果が薄いですが、最初のトラブル解決策として試す価値は十分にあります。
ネジ滑り止め液(摩擦増強剤)を使用する
輪ゴムよりも確実に摩擦を高めたい場合は、「ネジ滑り止め液」という専用のアイテムを使用するのがおすすめです。これは液体の中に微細な粒子(金属粉など)が含まれており、ドライバーとネジの食いつきを飛躍的に向上させる魔法のような液体です。
使い方は簡単で、なめかかったネジの溝に一滴垂らすだけです。その上からドライバーを差し込むと、粒子が隙間をガッチリと埋めてくれるため、滑ることなく力を伝えることができます。ホームセンターなどで数百円で購入でき、一本持っておくと家中のネジトラブルに対応できます。
PS5の内部は精密基板があるため、液を垂らしすぎないように注意が必要です。綿棒などでピンポイントに塗布し、作業後は余分な液を拭き取るようにしましょう。これだけで、驚くほど簡単に固いネジが回ることがあります。
貫通ドライバーで衝撃を与える(慎重に)
ネジが固着して動かない場合、ごく軽い衝撃を与えることで固着を解く手法があります。一般的には「貫通ドライバー」を使い、尻の部分をハンマーで叩く方法ですが、PS5は精密機器であるため、強い衝撃は厳禁です。あくまで「振動を与える」程度の力加減が求められます。
ドライバーをネジにセットし、持ち手の頭を手のひらでコンコンと叩いたり、小さなプラスチックハンマーで軽く振動を与えたりします。この振動によってネジロック剤が剥がれたり、ネジのネジ山同士の密着がわずかに緩んだりすることがあります。
ただし、基板へのダメージや、PS5のカバー破損のリスクがあるため、この方法は最終手段の一つと考えてください。力を入れすぎず、あくまで「固着を剥がすための振動」という意識で行うことが、失敗を防ぐコツです。
なめてしまった時のチェックリスト
1. ネジの溝はまだ少し残っているか?(残っていれば輪ゴムや滑り止め液が有効)
2. ドライバーのサイズは本当に合っているか?(1番のドライバーを再確認)
3. PS5がガタつかない安定した場所に置かれているか?
どうしても外れないネジを外すための専用工具とアイテム

応急処置を試してもビクともしない、あるいは既にネジ山が完全に潰れて真っ平らになってしまったという場合は、無理をせず「なめたネジ専用の工具」を導入しましょう。無理をしてドリルを使ったりすると、PS5自体を再起不能にしてしまう恐れがあります。専用工具を使えば、安全かつ確実に外すことができます。
ネジザウルス(ペンチ型工具)の活用
なめたネジ対策として最も有名なのが、エンジニア社の「ネジザウルス」シリーズです。通常のペンチとは異なり、先端に特殊な溝(タテ溝)が刻まれており、ネジの頭を横からガッチリと掴んで回すことができます。PS5のSSDネジは、頭が少し出っ張っているタイプなので、この工具が非常に有効です。
特に「ネジザウルスGT」や、より狭い場所に対応した「ネジザウルスM2」などが、PS5のような精密機器には適しています。ネジ山が完全に消失していても、外側の縁(フチ)さえ掴めれば、強力なトルクで回すことが可能です。
使用時の注意点として、滑って周囲の基板を傷つけないよう、慎重に力を入れる必要があります。ペンチを垂直に立てて、ネジの頭を垂直方向から掴むようにすると安定します。一度「カクッ」と動けば、あとは通常のドライバーで回せるようになります。
なめたネジ用ドライバー(アネックス製など)
ペンチが入る隙間がない場合や、よりスマートに解決したい場合は、アネックス(Anex)などのメーカーから販売されている「なめたネジ外しドライバー」が便利です。これはドライバーの先端が特殊な鋭い形状になっており、潰れたネジ山に新しい溝を作りながら食い込む設計になっています。
ハンマーで叩き込んで溝を作るタイプと、押し付けながら回すだけで食いつくタイプがありますが、PS5には「叩かずに使えるタイプ」を選びましょう。先端が消耗品として設計されているため、非常に高いグリップ力を発揮します。
また、ベッセル(VESSEL)からも同様の製品が出ており、これらはプロの現場でも使われる信頼性の高い工具です。通常のドライバーで滑るようになった初期段階で使用すれば、被害を最小限に抑えてネジを救出できます。
ネジ取りインパクトやドリルは避けるべきか
一般的に、なめたネジを外す最終手段として「インパクトドライバー」や「電動ドリルでネジ頭を飛ばす」という方法が紹介されることがありますが、PS5においてはこれらは推奨されません。衝撃や金属片の飛散が故障の原因になるからです。
特に電動ドリルは、削りカスが基板に付着するとショートの原因になりますし、勢い余って基板まで貫通させてしまうリスクが極めて高いです。どうしても回らない場合は、無理をせず修理業者に相談するか、前述のネジザウルスのような「手動で安全に掴める工具」に限定して作業しましょう。
ネジ一本のために数万円の本体を壊しては元も子もありません。物理的に削るような作業が必要になった場合は、周囲を徹底的にマスキング(保護)するなど、プロレベルの慎重さが求められます。
PS5のSSD増設でネジトラブルを防ぐための正しい工具選び

まだネジをなめていない人や、これから新しいSSDを取り付けようとしている人にとって、最も重要なのは「最初から正しい工具を使うこと」です。PS5に適合した品質の良い工具を使えば、ネジが固くて外れないというトラブルの8割以上は防ぐことができます。ここでは、失敗しないための工具選びのポイントをまとめました。
適合サイズは「プラスドライバー 1番 (PH1)」
まず絶対に覚えておきたいのが、PS5のSSDスロットに使用されているネジのサイズです。これは一般的に「1番」や「No.1(PH1)」と呼ばれるサイズです。家庭でよく使われる標準的なサイズは「2番」なので、それを使うと先端が大きすぎてネジの奥まで入りません。
逆に、メガネ用などの精密ドライバーセットに含まれる「0番」や「00番」を使うと、先端が細すぎて隙間が空き、力を入れた瞬間にネジ山を削ってしまいます。必ず「1番」と明記されているドライバーを用意してください。
サイズが合っているかどうかを確認するには、ドライバーをネジに差し込んだ際、左右に振ってみてガタつきがほとんどないかをチェックします。ピタッと吸い付くような感覚があれば、それが正解のサイズです。
グリップ(持ち手)が太いものを選ぶ
精密ドライバーの中には、持ち手が細いペン型のものが多いですが、PS5の固いネジを回すには不向きです。持ち手が細いと、指先の力だけで回さなければならず、十分なトルク(回転させる力)がかかりません。また、強く押し付けることも難しくなります。
おすすめなのは、手のひらでしっかり握り込める「ボールグリップ」型や、ある程度の太さがあるドライバーです。しっかり握れることで、体重を乗せて「押す力」を加えやすくなり、結果としてネジをなめるリスクを劇的に減らすことができます。
ベッセル(VESSEL)のボールグリップドライバーなどは、安価でありながら非常に使いやすく、PS5の作業に最適です。100円ショップの細いドライバーではなく、しっかりとした工具メーカーの製品を一本用意するだけで、作業の快適さは別次元になります。
先端の精度と磁力の有無
高品質なドライバーと安価なドライバーの最大の違いは、先端の「精度」と「硬度」です。精度の高いドライバーはネジの溝に隙間なくフィットし、力が分散されません。また、先端が硬い素材(クロームバナジウム鋼など)で作られているため、ドライバー自体が削れてしまうこともありません。
また、「磁力(マグネット入り)」のドライバーを選ぶことも非常に重要です。PS5の内部でネジを外した後、ネジを落としてしまうと、取り出すのが非常に困難な場所に入り込んでしまうことがあります。磁力があれば、外れたネジを吸い付けて保持してくれるため、紛失のリスクを回避できます。
もし手持ちのドライバーに磁力がない場合は、100円ショップなどでも売っている「マグネタイザー」という道具を使えば、後から磁力を持たせることも可能です。作業効率と安全性を高めるために、磁力付きの工具は必須と言えます。
| 工具の種類 | PS5作業への適性 | 特徴 |
|---|---|---|
| 精密ドライバー(0番) | × 不適切 | 細すぎてネジ山を潰しやすい |
| 標準ドライバー(2番) | × 不適切 | 大きすぎて溝の奥まで入らない |
| 1番(PH1)ドライバー | ◎ 最適 | PS5のSSDネジに完全適合 |
| ボールグリップ型 | ◯ 推奨 | 握りやすく力が伝わりやすい |
ネジを外した後の対応と代わりのネジ(スペーサー)の入手方法

苦労してなめたネジを外した後、そのネジを再利用してはいけません。一度でも山が潰れたネジは、次に締める時や外す時にさらに状況を悪化させます。ここでは、外した後の処理や、もしネジを壊してしまった場合の交換パーツの入手方法について解説します。
外したネジは必ず新品に交換する
なめたネジを無理やり使い回すのは、将来の自分にトラブルを先送りするようなものです。一度なめたネジは強度が落ちており、次に回そうとした時には完全に崩壊する可能性が高いです。取り外したネジは迷わず破棄し、新しいネジを用意しましょう。
PS5のSSD固定用ネジは、実は市販のネジで代用が可能です。サイズは一般的に「M3×10mm」程度のプラスネジが使われていますが、ワッシャー(座金)付きのものを選ぶとより安定します。ただし、形状が特殊な場合もあるため、できればPS5専用として販売されているセット品を探すのが確実です。
もしネジだけでなく、その下にある「スペーサー(ネジを受ける筒状のパーツ)」も傷めてしまった場合は、スペーサーもセットで交換する必要があります。これらはセットで数百円程度で手に入るため、予備として持っておくのも一つの手です。
PS5用ネジセットの入手場所
代わりのネジやスペーサーは、Amazonや楽天などの大手通販サイトで「PS5 SSD ネジ」と検索すれば簡単に見つけることができます。サードパーティ製(非純正)のものが安価で流通しており、これらを使用してもSSDの動作に影響はありません。
また、増設するSSD自体にネジが付属している場合もありますが、M.2 SSD用のネジは複数の規格があるため、必ずしもPS5の本体側に適合するとは限りません。PS5側のネジ穴は「M3」という規格ですが、一般的なPCのM.2ネジは「M2」であることが多いので注意が必要です。
もし急ぎで必要な場合は、ホームセンターのネジ売り場で「M3サイズの、長さ10mm前後のネジ」を探してみてください。ただし、頭の形状が大きすぎるとSSDのカバーが閉まらなくなるため、元のネジに近い形状のものを選びましょう。
スペーサーを正しい位置に配置する
ネジを新しくしても、取り付け方を間違えると再びトラブルの元になります。PS5には、SSDの長さに合わせてネジ穴がいくつか用意されており、そこにシルバーの丸いパーツ「スペーサー」を移動させる必要があります。これを忘れてSSDを直接ネジ止めしようとすると、SSDが斜めに曲がってしまい、故障の原因になります。
増設するSSDのサイズ(多くの場合は80mm、目印は「110」「80」「60」「42」「30」と書かれた数字)を確認し、その位置にスペーサーを置きます。その上にSSDを差し込み、最後にネジで固定します。
この時、ネジを「これでもか」というほど強く締める必要はありません。キュッと止まったところでそれ以上回さないようにしましょう。適度な締め付けであれば、次回の交換時に「ネジが外れない」と困ることもなくなります。
ヒント:SSDにヒートシンクが付いている場合、ネジの長さが足りなくなることがあります。その場合は、ヒートシンクを付けた状態でもしっかり届く、少し長めのネジが必要になることも覚えておきましょう。
PS5のSSDネジトラブルを解決して快適なゲームライフを取り戻すまとめ
PS5のSSD増設におけるネジトラブルは、決して珍しいことではありません。非常に固い初期設定と、小さなネジという条件が重なっているため、誰にでも起こりうる問題です。大切なのは、ネジが外れないと感じた瞬間に「無理をしないこと」です。
まずは、自分の使っているドライバーが「プラスの1番(PH1)」であるかを再確認してください。もし少しなめてしまったら、輪ゴムやネジ滑り止め液を使って、摩擦を最大限に高めて再挑戦しましょう。それでもダメな場合は、ネジザウルスのような専用工具に頼るのが、本体を傷つけないための最短ルートです。
無事にネジが外れたら、新しいネジとスペーサーを使用して、正しくSSDを設置してください。適切な工具を選び、正しい手順で作業を行えば、PS5のストレージ拡張は非常に簡単で、その後のゲーム体験を劇的に向上させてくれます。
容量不足の悩みから解放され、たくさんのゲームを楽しめる環境を作るために、この記事で紹介した方法をぜひ活用してみてください。安全に作業を終えて、快適なPS5ライフを再開しましょう。


